株式会社DNPメディアクリエイト「フルユニバーサルデザインプロジェクト 多様性理解のための当事者講義」にて出前授業を行いました。
日時:2016年7月19日 火曜日 14時~16時
対象:株式会社DNPメディアクリエイト 社員11名
大日本印刷株式会社 社員2名
合計 13名
場所:市ヶ谷佐内町ビル 応接室
講師:高橋
ファシリテーター:松川
授業内容:
(1)選択肢を持つということ
(2)視覚障がい者が健常者をサポートする
(3)自分で行うことの利点
(4)見る・読む方法
(5)「できない」ということへの思い込み
(6)誤使用によるリスク
<活動レポート 高橋記>
多様性理解における当事者講義の第一弾として、全盲視覚障がいの高橋が、まずは講義させていただくこととなりました。
お金を触る疑似体験や自販機での飲み物購入の話では、選択肢を持つことの大切さをお伝えしました。
誰でも、何かをしようとした時に、その方法をたった1つしか持っていなければ、窮屈に感じたり、何かの拍子に余裕がなくなったりするものです。視覚障がい者であれば、「なんで自分は目が見えないんだろう」と悩んでしまうかもしれません。しかし、常に複数の選択肢を持っていれば、「この方法が駄目なら、別の方法にしよう」となり、気持ちに余裕が生まれます。
世の中、障がい者対応といった流れになってきてはいますが、それだけではなく、自ら選択肢を持てるように生活をコーディネートしていく必要があると思っています。
「健常者が視覚障がい者をサポートする」という話はよくありますが、「視覚障がい者が健常者をサポートする」という話はあまり聞きません。我が家ではどちらも日常茶飯事なのですが、後者はなかなか想像できないようです。
どこに何を置いたか、一人ではなかなか思い出せないことも、2人で記憶をたどれば見つけられることもありますし、忘れ物をしないように事前に確認することもできます。
目が見えるかどうかは表面的なことでしかないので、実際のところ、視覚障がい者が健常者をサポートすることは難しいことではありません。
難しいのは、「視覚障がい者 = サポート対象」という思い込みに気付くことだと思います。
「誤使用によるリスク」では、私や知り合いの視覚障がい者の失敗談を話したところ、みなさんには大いに笑っていただきました。
ただ、おっちょこちょいで失敗したということではなく、失敗を誘発する原因があったという話です。触ってみた時に、いつもと同じように感じられれば、疑うことなくそのまま使用してしまうことはあるでしょう。逆に、少しでも違いを感じ取ることができれば、何かおかしいと気付くことができたかもしれません。
今回は、使用するものを間違ってもたいして問題なかったケースですが、口に入れてはいけないものを入れてしまった場合は、大変なことになります。今回の話が、秒無でも何かの役に立っていただければ幸いです。
ワークや疑似体験を行いつつ、質問もたくさん出ましたので、なごやかな雰囲気で、みなさんには楽しんでいただけたのではないでしょうか。
iPhoneの使用例を紹介すると、やはりみなさんびっくりされますね。